• Document: Günther Sterba : Tilesius als Ichthyologe und Illustrator
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Tilesius als Ichthyologe und Illustrator japanischer Fische 【紹  介】 Günther Sterba : ‘Tilesius als Ichthyologe und Illustrator japanischer Fische’ Frieder Sondermann (Vorwort) はしがき ギュンター・H・W・シュテルバ教授は,魚類学の歴史に造詣の深い自然科学者である。 したがって,ティレージウスの学問的業績を評価するには,もっともふさわしい人物といっ てよい。氏は,数十年間ティレージウス研究に従事して, ライプツィヒ大学内に四散したティ レージウスの挿画を蒐集整理し,徹底的な調査を敢行した。当調査に基づいて,私とも共同 研究を進め,その成果の幾つかは,すでに東北学院大学教養学部論集に発表ずみである。 さて,本論文の意義は,なによりも未発表資料が綿密かつ批判的に検討されている点にあ る。その際,氏自身の言葉を借りれば,以下の通り,ふたつの目標が立てられた。 「まず試みるべきは,ナジェシタ号の長崎港停泊中,W・G・ ティレージウスにより素描な いし彩色された魚(想像上の名前を与えた魚もある)の正体をみきわめ,然るべき名前をつ けることである。ついで,この試みから,つぎのような希望も生まれよう。すなわち,人間 ティレージウスや,彼が魚類学研究に至る道程や,彼の抱いた期待や希望や幻滅もまた,明 らかになって,未来志向というよりも伝統に信を置いた自然研究者を理解できるのではない か,という希望である。」 本論文は,ティレージウスが日本魚類学史に貢献したのかどうか,再考する機会を提供す るはずである。以下,本論文の概要を示すために,幾つかの節を引用しよう。 1. ナジェシタ号の長崎港停泊中,ティレージウスが描いた日本の魚の大半は,他の多く の素描や水彩画と同じく,素人に感銘をもたらし,芸術愛好家の興味もそそるかと思われる。 しかし魚類学者からみれば,ティレージウスが見本に挙げる魚のなかで,正しく描写された ものはごくわずかである。その多くは,魚の識別に必要な特徴の捉え方が不正確きわまりな く,肝心な種の特徴がまったく抜け落ちたものも散見される。 2. クルーゼンシュテルン著『世界周航記』第四巻(図版集)所収の挿画もまた,問題で あろう。分類や名称の列挙でおわり,魚の場合も,名前を挙げるが,説明が欠けているから 87 東北学院大学教養学部論集 第 165 号 である。かような杜撰な記述の結果,当図版集の学術的評価のみならず,ティレージウスの 評判も損なわれることとなった。ここで新種とされた魚は,不完全な挿画や説明の欠如のた めに,確証されるに至らず,後年の学術刊行物からもほとんど言及されたことはない。 3. ティレージウスは,1809 年頃から,学術的出版を考慮して魚の芸術的描写にも変化を 加えた。 『日本魚類学』を著わそうとしたが,果たせなかった。彼が新種 4. ティレージウスは, と考えた日本の魚のうちで,今日でも確証を得ているのは,わずか三種類にすぎない。他方, 北大西洋,特にカムチャッカ半島や北海道周辺水域で新種とされた魚の挿画は,はるかに精 度が高い。巧みに描かれた,当地域に生息する二十三種の魚のうち,今日でも十一種が認め られている。 これに加えて,ティレージウスに関して,つぎの点を補っておこう。 ・彼は,世界航海後,最新の正確な記述方法を学び,基本的専門書を閲読したとはいえ, 十分に活用してはいないこと。 ・挿画の大半に,折に触れて,説明やコメントを付け足していったこと。 ・挿画をひとりで描いたとはかぎらず,仲間の絵に手を加えたものもあること。 ・彼の魚類関係論文の中で,当時,学術的価値が認められたのは,1810 年以降数年間の ものにすぎないこと。 ・1830 年代まで,『日本魚類学』をリュッペルと共同執筆する計画を進めていたにもかか わらず,失敗におわったこと。 ・従来,彼の学術刊行物は,日本魚類学の研究分野において,ほとんど顧みられることが なかったこと。 ・彼の挿画には学問的問題点が認められるにせよ,

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